FARMERS
生産者紹介
松の実ファーム
福岡市西区
自然循環の範囲内で野菜をつくる
福岡県西端部の一帯に位置する糸島市~福岡市西区にあるの畑で農薬・化学肥料に頼らず有機資材のみで野菜づくりをしている松の実ファームの代表 松尾太一さん。
松尾さんは2008年に就農します。
現在の畑の一部はもともと耕作放棄地で、荒れた土地や水路などに手を加えながら、使える施設などはそのまま利用し、耕作放棄地を再生利用しています。
2015年には有機JAS認証を取得し、2022年には法人化し組織として生産環境等の向上を目指します。
農薬や化学肥料は、本来自然界には存在しないもので、人工的につくりだしたもの。
長い目で見た場合、それらが人体や自然環境にどう影響を与えるか検証することは、100年足らずしか寿命がない人間にとって大変難しいことです。
松の実ファームでは何千年、何万年も続いてきた自然循環の範囲内で”農産物”を栽培し、自然環境、生命を守っていこうとされています。
【松の実ファームのこだわり】
~より多くの人が安心して食べることができる美味しい野菜を作るために~
・農薬、化学肥料、除草剤等使用しません。野菜にかけるのは、水のみです。
・一般畑との境界は3m以上はなれた位置から作付けします。(緩衝地帯)
・使用する資材は、なるべく畑周辺地域で採集された草や木くずを用います。
・肥料分は、必要最低限の量で栽培し硝酸態窒素の少ない有機野菜をめざします。
めぐみの里
八女市
みんなを巻き込んで安全な食べ物の流通を
八女郡広川町で40年以上農薬不使用の野菜を作り続けている高鍋さんを中心にした生産者グループ。代表は高鍋健一さん。
環境は一人の問題ではないから、みんなを巻き込んでいかないといけない。グループのメンバーが増えれば農薬を使う人が減る、と考えて活動しているといつしか大所帯のグループになっていたとのこと。
めぐみの里は、もちろん基本は無農薬栽培。ただし場合によっては必要最低限の農薬を散布します。
40年以上無農薬栽培を貫いてきた代表の高鍋さんは言います。
「無農薬にこだわっても、農作物が全滅してしまったら収入を得ることができず、生産者も生きていけない。生活するくらいの収入を得るために農作物が全滅するリスクがある際は、必要最低限の農薬を散布して減農薬でつくることも場合によっては必要。でないと有機農業を続けることができなくなってしまう。そしてそれら有機農業の現実をすべて正直に消費者に伝えて消費者と生産者の信頼関係を築いていきたい。」
「野菜を買っていただいている方々は、買うことで環境を守ることに大きく貢献しているんですよと声を大にして言いたいです。やっぱりそういう消費者の存在が一番大きい。」
生産者と消費者の信頼関係、お互いが理解し合い、許容することで環境保全、持続可能な有機農業実現に向けて活動されています。
ブッチャ農園
糸島市
自然の流れのなかで野菜本来の力に任せる
福岡県糸島市の豊かな山林と水源を有する長糸を拠点にしているブッチャ農園の松永佳子さん。松永さんが本格的に就農したのは2021年の4月で、パートナーの仁科光雄さんとお2人で農業をされています。
松永さんはもともと土や草が好きで、就農前の3年間は仕事をしながら週末に畑仕事の手伝いをされていて、遅番の仕事を始めて昼夜逆転したり、朝早くから夜遅くまで働くなかで、土が触りたい…自然の流れに沿った生き方をしたいと思い始めたことが本格的な就農のきっかけでした。
なるべく自然な形で育てたいと思っていると松永さん話はします。
「実際に慣行栽培をした事がないのでハッキリとは言えませんが、慣行栽培は農薬や化成肥料を使うと思うので、それらを購入しなければいけないですが、私達は自然の流れと野菜の本来の力で育てたいと思っていて、その中で病気になってしまったりした場合は人間と同じように多少薬に頼る感じで、肥料も鶏糞を主に使っていて、鶏糞は養鶏場の方にいただいているのでお金はかかりません。
草も土に還したいと思っているので、除草剤は使わず、草刈りをしたり、トラクターや耕運機で土に還します。」
あまりこだわらず、とらわれず、自然の流れのまま、野菜の本来の力に任せ、必要であれば少し手助けをしてあげる。自分の子供のように野菜を育てているブッチャ農園です。
ブライト農園
糸島市
できるだけ自然に近い環境での野菜をつくる
2009年春、糸島市で自然農法を1年間学び就農したブライト農園の高井象平さん。
今から20年ほど前から多く発生するようになってきた異常気象をきっかけに環境問題について真剣に考えるようになり、ニュースで輸入農産物に対する必要以上の農薬散布が行われていることや、世界に比べて日本では有機農業が広まっていないことを知り、有機農業を始める農家さんがもっと増えていってほしいという思いから有機農業の道を選び今に至ります。
現在ブライト農園では、野菜を栽培するにあたって肥料を使用していますが、その量は必要最小限に抑え、できるだけ自然に近い環境での野菜づくりを目指しています。
「毎年同じ野菜をつくっても日々新しい発見があり学ぶことが多い」と話す高井さん。「それらを糧にしてもっと安定して収穫できる体制にしていきたい。」と、今後の展望を持たれています。
MURA-FARM
糸島市
目指すは6次産業化
糸島市の観光名所「白糸の滝」がある山の麓に位置する長糸地区。その長糸地区で農業を営むMURA FARMの大村昌弘さん。大村さんは、東日本大震災をきっかけに人生を見つめ直し、資本主義の世界で生きていくよりもできるだけ自然の原理原則に近い世界で生きていきたいと考えるようになり、サラリーマンを辞め農業を志します。そして有機農法を学び2017年11月に就農します。
現在は、パクチーとリーフレタスを通年栽培されていて、植物系の肥料を中心として、まろやかでクセの少ない野菜を目指し日々野菜をつくられています。
「将来的には法人化を目指し、農業をベースに様々な事業を展開していきたい」と語る大村さん。飲食店など6次産業化も視野に入れて日々活動されています。
つばめ農園
糸島市
野菜と自然が大好きで新規就農した女性生産者
2022年8月、山内朱実さんは就農し「つばめ農園」がスタートしました。
野菜と自然が大好きで、幼いころからいつかは農業をしたいと思い描いていたという山内さんは、幼いころ、父親の友人が無農薬で育てた野菜を発砲スチロールいっぱいに入れ、毎週届けてくれていて、それが農業をしたいと思うきっかけになっているんだと思うと話してくれます。
2019年から約3年間、農家さんのもとで修行したものの、まだ就農1年目ということもあり完全にすべての作物を無農薬でそだてることができず、つばめ農園が生き抜くため少量の農薬を使用することもありますが、極力農薬の使用は控え、糸島の恵まれた自然のなかで野菜をのびのびと育て、その野菜が本来もつ美味しさを発揮できる野菜づくりを目指しています。
また、地域内循環を意識して、土づくりに使用する堆肥も糸島のものを使用し、糸島の土に還すことを大切にしています。
「口に入れた時“美味しい”と少しだけ幸せを感じられるような、そしてそれが食べてくれた人の健康につながるような、そんな野菜を作り続けたい。できるだけ「自然の力」だけで野菜をつくれる自分なりの農法を確立していきます!」と力強く語ってくれる山内さんです。
いとのしおかぜ農園
糸島市
食の大切さを実感し就農
いとのしおかぜ農園の玉元さんは2022年4月から農業を開始しました。
農業を始めたきっかけは、「娘さん」だと玉元さんは話します。
「娘が2歳の時に小児癌を患い、余命宣告まで受けました。医療以外にも親として、出来ることはないかと色々と模索しました。最初はタヒボ茶。当時は凄く高価で、続けるのが難しく、人参ジュースや野菜クズを使ったファイトケミカルスープなど、食にこだわりました。 娘はもうすぐ11歳になりますが、普通以上に元気に笑顔で育っています。娘と共に私たち家族の体にも変化が起きました。アレルギー体質、乾燥肌だった私も気が付けば良くなっていました。闘病生活をしているなかで、同じ様に悩まれる人たちが驚くほど多いことを知りました。食の大切さを伝える方法として、農家に興味を持ち始め、頭から離れない日々が続いていました。20年以上サラリーマンをやっていましたが、父も癌を患い糸島に戻ってきました。 そんな時に畑の話をいただき、「これはもう!やるしかない!」 と思い切って脱サラ就農した」と玉元さん。
有機農業は「安全安心」よりも「自然の力、大地の力をいただく」という考え方でされてあるそうで、「有機農業って気軽にできる!」となるように、いかに楽にできるかを考えて、今後は「学校給食を変えていきたい!」と意気込みを聞かせてくれる玉元さんです。